現代のデジタル社会において、ホームページ(HP)は企業の信頼性を示し、顧客や取引先に対して存在感をアピールするための最も基本的なツールです。成長している企業はほぼ例外なくデジタルマーケティングに取り組んでいますが、その起点となるのがホームページなのです。

しかし、ホームページを作ったはいいものの、ただ存在しているだけで見られていない、機能していないという会社も少なくありません。また、これから新たに作りたいけど何を目的とするのか、どのように活用すればいいのかわからないという方もいるでしょう。

そこで本記事では、ホームページの目的を4つのタイプに分け、それぞれについて基本的な条件や制作時に大切にすべきポイントを解説します。

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前提として、ホームページはすべての企業にとってマストなツールと言っても過言ではありません。中には「SNSだけあれば十分では?」と考える方もいるかもしれませんが、例えば社名で調べた際にInstagramのアカウントしか出てこない会社と、しっかりとしたHPを持ち、事業内容や方針を明確に示している会社のどちらが信用できますか?言うまでもなく後者でしょう。

とりわけBtoBのビジネスを展開している会社にとっては、見込み客や金融機関が取引する前にまずはその会社のホームページを見るという行為は当たり前に行われています

では、HPの具体的な目的とは何でしょうか?自社の事業を知ってもらったり、サービスをアピールするというのは最低限必要ですが、実は企業の目標や戦略に応じてHPの作り方や掲載するコンテンツ、制作費用等も変わってきます。大別すると、ホームページ制作の目的には主に以下の4つがあります。

  • 企業の信頼性を高める【信頼獲得型ホームページ】
  • 問い合わせや販売促進を狙う【集客型ホームページ】
  • 優秀な人材を引きつける【採用特化型ホームページ】
  • サイト上で商品を販売する【EC機能付きホームページ】

信頼獲得型ホームページは、主にすでに接点のある取引先や個人に対して信頼をさらに高めることを目的としたホームページです。また、資金調達を検討している企業や上場を目指す企業では、金融機関やステークホルダーからチェックされることも想定しておかなければなりません。こうした目的のHPには、以下の要素が求められます。

企業情報や事業の詳細な紹介

会社の歴史や沿革、事業内容、スタッフの紹介などを詳細に記載することで、企業としての信頼感を高めます。業界によっても掲載すべき情報が異なりますが、例えば許認可や資格が必要な業界であれば許可番号や登録番号も掲載した方が安心感を与えられるでしょう。

質の高い生の写真の掲載

企業のオフィスや工場、働くスタッフの様子など、実際の現場の写真を使うことで実態を伴った会社であることを示します。素材写真だけでは実態が掴みにくく、信頼性が低く感じられてしまうので注意が必要です。

経営理念やビジョンの明示

経営理念やビジョンをはっきりと示すことで、自社の方針を対外的にアピールします。写真付きで代表メッセージなどもあった方が良いでしょう。

集客型ホームページは、不特定多数の新規顧客に向けて商品やサービスを認知させ、問い合わせや購入につなげることを目指すものであり、HP制作の目的の中でおそらく最も多いでしょう。中小企業の場合、ホームページは制作するだけでは十分なアクセス数を獲得できません。SEO対策やWebマーケティング施策との組み合わせが成功の鍵となります。

コンセプトの明確化

競合他社と何が違うのかを一目で理解できるよう、トップページで明確なコンセプトを示すことが大切です。例えば、地域密着型のサービスや特定のニッチ市場に特化した商品を提供する場合、その特徴を分かりやすく伝えます。

実績や顧客の声を活用

実際に利用した顧客の声や過去のプロジェクトの成功事例を掲載することで、潜在顧客が自社を選ぶメリットを具体的にイメージできるようにします。

マーケティング施策

単にHPを作成するだけではなく、検索エンジンでの上位表示を目指すためのSEO対策を行うことでより多くの人の目に触れることができます。また、Google広告やSNS広告を組み合わせてターゲット顧客に効果的にアプローチすることも重要です。

採用特化型ホームページは、求職者に向けた情報発信を重視したホームページです。新規顧客の獲得よりも、企業の魅力を求職者に伝え、優秀な人材を採用することを目的としています。近年では、企業の一般HPとは別に、専用の採用サイトを設けるケースが増えています。

事業内容のわかりやすさ

専門知識を持たない求職者に向けて、業界や事業内容を理解しやすいように説明することが求められます。特に未経験者を募集する場合は、業務内容や職場環境を具体的に伝えることで、求職者に安心感を与えます。

社員インタビューや福利厚生の充実

実際に働く社員のインタビューや、福利厚生、研修制度などの情報を充実させることで、求職者にとって魅力的な職場であることをアピールします。

求人媒体との連動

求人情報を効果的に配信するために、求人情報サイトとの連携機能を活用することが重要です。自社の採用情報を一括で管理し、複数の求人サイトに自動で掲載することで、効率的な採用活動が可能になります。

EC機能付きホームページは、商品・サービスをオンライン上で販売することを目的とします。特に小売業やブランド企業にとっては、EC機能の搭載によりリアル店舗に依存せずに全国または海外の顧客にリーチできる点が大きなメリットです。また、ECサイトは単なる販売プラットフォームとしてだけでなく、企業のブランディングや顧客とのエンゲージメント向上にも役立ちます。

ユーザビリティの向上

顧客がストレスなく商品を探し、購入できるようにするためには、シンプルで使いやすいデザインが重要です。直感的なナビゲーションや検索機能、商品フィルターの充実が購入意欲を高めます。

Amazonや楽天との連携

自社のECサイトに加え、Amazonや楽天といった外部の大規模ECプラットフォームとの連携を図ることで販路を広げることが可能です。これにより、すでに大量のトラフィックを持つプラットフォームのユーザーにリーチでき、認知度や販売数を拡大することが期待できます。

セキュリティ対策の徹底

顧客の個人情報や決済データを扱うECサイトでは、セキュリティが非常に重要です。SSL証明書の導入や安全性の高いな決済方法を使用することで、顧客に安心して利用してもらえるようにします。

ホームページの制作を制作会社に依頼する際は、ここまで紹介した4つのタイプを参考に、まずその目的を明確にしておくことが大切です。それに基づいて必要な情報を用意し、制作会社に要望を伝えて相談してみるといいでしょう。

さらに、あらかじめ予算を確保しておくことも重要です。一般的に企業向けのHPは20万円以上の費用がかかることが多く、予算に応じてデザインや機能性が変わってきます。制作会社を選定する際は複数社を比較し、実績やサポート体制などを確認することも大切です。

ホームページを新たに作成する際はその目的を明確にし、自社に最も適したHPを作る必要があります。ホームページは企業の顔と言えるほど大事なものなので、制作会社を選ぶ際は目的や予算、サポート体制などを十分に検討し、信頼できるパートナーを選びましょう。

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